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2009.04.27初回に3点先制するも簡単に主導権明け渡して力負け。叱責も飛ぶなか覗いた再生の兆しとは。

1回表、近藤が本塁に滑り込んで3点目
 
"ミスターセットアッパー"入野の復活が待たれる
 
この試合、多くのファンが愛媛から駆けつけ、3塁側スタンドで最後まで声援をおくった

   4月26日(日)、高知市内の最高気温は18度、肌寒さを感じた。だが、春野球場で試合を観戦していたパイレーツファンの体感気温はそれどころじゃなかったはずだ。

 同日の高知戦、パイレーツは1回表、高知先発ドミンゴの制球難につけ込み、2安打と2つの死球などで幸先よく3点を先制。本来ならば試合の主導権を握ったはずだった。愛媛から駆け付けた3塁側スタンドのファンも「今日は勝ちますよ」と意気軒昂そのものだった。

 だが、パイレーツ先発の高木がドミンゴ以上に乱調。その裏先頭打者にストレートの四球、2番に死球、1死後4番、5番に連続タイムリーを浴びて、あっさり同点。5番に四球を与えたところで沖監督はたまらず高木を降ろし、入野を救援に送った。が、入野はさすがに準備不足。変わりばやに2安打を打たれて3対4と逆転。続く打者はショートゴロ、打ち取ったと思いきや、今度は大島が打球をはじいて得点は3対6。この1回の表・裏の攻防にかかった時間は何と50分。終わってみれば、これがこの試合の唯一ともいえるヤマ場だった。パイレーツ投手陣は14安打を浴び、打者は6安打に抑え込まれ、3失策をしでかし、4対10と力負けした(トップ写真はゲームセット直後、うなだれて引き揚げるナイン)。スタンドから飛んだ、「下手くそ、金返せ。何回こんな試合を見せるんだ」、そんな叱責を甘んじて受けざるを得なかった。

 その主因がどこにあるのか、もはや探る必要はない。今季10試合で二ケタの被安打試合は6試合にも及ぶ。野手の一人は「守っていても正直イライラしてくる。投手が相手打者に勝負に行っていないのが分かる。守備のリズムも出ない」と、本音をぶちまけた。"投壊"はチームのバランスと攻守のリズムを崩すところまで来ている。再生が急がれる。

 だが、この試合、再生に向けた兆しの一端を探し出すことはできた。2番手に登板した入野は3回と3分の2を投げて6本のヒット(自責点1)を打たれたが、以前のような暗い表情ではなかった。「少しずつ良くなっている。(修正した)フォームがバラバラになっていたので、以前の2段気味のモーションに戻した。大分しっくりきている。これから調子を上げていく」とキッパリ。3番手の篠原(2回を投げて被安打3の自責点1)も「今日はボールが走ってよかったと思う。これまで色々と考え、色々と変えようとして、いい時の自分を忘れていた。思い切って腕を振ることで球が生きて来た。今日のヒットは(打ち取っていたものや不運なもので)悔しい。これから絶対這い上がる」。この2人の言葉を信じたい。  

 

 

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